Vallejo(ファレホ)塗料を試してみる
公開日:
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最終更新日:2024/05/01
製作記
高校時代からボークスに通い詰めているのだが、立川のボークスで初めて知り合った塗料。
当時タミヤのアクリル塗料にぞっこんだったので他の塗料を使う気はなかったのだが、
いろいろとタミヤのアクリル塗料に対して不満が出てきたのが最近の話。
で、通い詰めているボークスで滅茶苦茶プッシュされている塗料で試したくなった。
っていうかタミヤのアクリル塗料に艶消しクリアがないからっていうだけなんだが。
店の人に色々聞いてこの塗料の特徴をまとめると
・筆塗りが前提
>エアブラシにも使えないことはないらしいが、専用の希釈が必要。
エアブラシ持ってないから関係ないんだが。
・基本は艶消しで「グロス」と書かれている塗料が光沢
>一般的な塗料の解釈と逆なので注意が必要。
・VARNISH系統の塗料が大量に用意されており、それがトップコート用のいわゆるクリア。
>トップコート用でもいろいろ差があり、繰り返しのトップコートで光沢具合と艶消しを調整するらしい。
使い方としてはパレットの上に出してから色を塗っていく形。
伸ばして使う性質とかも考えると小学校でよく使う絵具に使い方が似ている感じがした。
写真が貧乏くさいのはご愛敬。
今回この塗料を買った目的としては艶消し塗装の新しい可能性を試したかったから。
ってことでタミヤアクリルと使い分けた写真を見てほしい。
まずは下地からトップコートまで全てタミヤアクリルを使用したストライクイーグル。
艶消しクリアがないので、クリアにフラットベースを混ぜて塗装したが、
やはり光沢が結構出た。
で、こっちが下地からトップコートまで全てファレホで作ったホーネット。
結構艶は目立たずに仕上げられる。
(上のF-15よりも艶が目立ちにくい色で有利なのは申し訳ない。)
クリアの層を薄く作れるので、いずれにせよマットカラーなら艶消しにしやすい。
おまけ。下地~塗装までをタミヤアクリルで作ってトップコートだけをファレホにしたトムキャット。
本来別のメーカーの塗料を重ね塗りするのはタブーっちゃタブーなんだが、
基本はアクリルなので、どの塗料の上に塗っても問題ない。
…と思う。検証してないので断言はできないが、ラッカーの上は問題ないと思われ。
この塗料のいいところをまとめてみたい。
・無臭
まったく匂いがしないので家族の顰蹙を買いにくい。
恐らくこの塗料を使う最大の動機。
可燃性のシンナーが使われているわけではないので安全ということを公式は謳っているようだ。
・艶消し塗装時には光沢が消えやすい
初心者でも艶消し塗装が出来る…とまではいかないが、ある程度は艶消し塗装はしやすい。
少なくともガイアカラーとかみたいに艶消しクリアのくせにむっちゃ光沢が出るクリアよりは全然艶が消える。
クリア以外のカラーは塗るだけで艶消し状態になるのでデカール保護をあきらめれば初心者でもそれなりの艶消し塗装が出来る。
・クリアの塗装が強い
広告には塗装面を爪で引っ掻いている写真があった。まあ、そこまで強くはないが、
バーニッシュを上塗りした後のクリアであればある程度の傷にはめっぽう強い。
でも広告の写真みたいに引っ掻きまわしても大丈夫なんてことはないと思う。
だが、完璧な塗料はない。
2つこれで作ってみて感じた欠点はこんな感じか。
・重ね塗りなしの塗装色は傷に弱い
バーニッシュは傷に結構強いが、通常色はかなり傷に弱く、何時間乾燥させても爪でこすったりするとすぐ落ちる。
重ね塗りしたものはそうでもないことも多いが、トップコートは必須。
ほとんど乾燥させていない状態で水に浸けると侵食されるのでデカールを貼るなら長めの乾燥時間を取る必要あり。
エアブラシを使うなら乾燥機が欲しいかもしれない。
・黒などの隠蔽力の高い色は隠蔽力は高いが、低い色はとことん低い。
とりあえずこれ↓を見てほしい。
これは塗装の仕方云々の問題を超えている気がする。
幾つかの戦闘機をファレホで作ったが、メタリック部分は今まで通りタミヤのアクリルかミスターカラーのエナメルを使ってる。
黄色とか白とかの隠蔽力が低い色は他のタミヤアクリルとかに比べて更に隠蔽力が低い感じがした。
以下は塗料の性能上と直接の問題ではないが結構問題。
・割高
一色当たり300円前後。タミヤアクリルの二倍である。
最低限ほしい黒、白、青、シルバー、クリアの5色を集めるだけで1500円。
1500円もありゃタミヤアクリルの基本セットは買えるわけで。
・販売店がボークス店舗のみ
恐らくこの塗料最大の欠点。
全国に(ドール専門店舗を除いて)13店舗しかないボークスでしか扱ってないので簡単に手に入らない。
通販だと場所の問題はクリアできるが、送料に800円近くかかるので全色買うくらいの勢いがない限りは厳しい。
首都圏ならそこそこの店舗数が揃ってはいるが、横浜や秋葉原が遠いとどうにもならないし、地方だと名古屋とか仙台みたいな主要都市にしか店舗がないのでやはり地方民に優しくない。
っていうことで全筆塗りモデラー達に進めたいファレホ。
割高とか気軽に手に入らないとかの無視できない欠点はあるが、筆塗りのさいに結構な味方になってくれる性質がある。
シンナーの希釈がほぼ必要ないとか塗装するうえでの手軽さも兼ね備えているので、ぜひ手に取ってもらいたい塗料だ。
とはいえ、白や黄色などの他の色でも隠蔽力の低い色は更に隠蔽力が低く、
正直筆塗りでは使用に耐えうる性能ではないと感じた。
そういう意味では他の塗料に絶対的な優位性があるとは言えず、他塗料やサフェーサーとの連携が必要かなと感じた。
ベースはアクリルなのでラッカー以外ならば重ね塗り出来る筈。他塗料との併用はさほど苦にならないようにはなっていると言えるだろう。
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