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【絶対】ハイパーヨーヨーアクセルブースト レビュー【買うな】

公開日: : 最終更新日:2025/07/06 分類してもしょうがないもん

本日7月5日、バンダイより第4期ハイパーヨーヨーの最新機種「アクセルブースト」が発売された。シリーズ最上位機種として位置づけられ、価格も3,700円と強気な設定がなされている。

自分自身、この機種の発売が発表された際には、欲しいという気持ちを抑えきれず、発売当日に購入した。もともと、YYFハブスタックのような特別なギミックを搭載したヨーヨーが好みであり、さらに自分は社会現象となった第一期ハイパーヨーヨー世代でもある。そのため、第一弾「アクセルオリジン」から注目しており、とりわけ第二弾「アクセルウィング」には高い評価を抱いていた。

ただし、アクセルウィングは※ハイエッジ形状ゆえに、高度なトリック(と言ってもローラーコースターレベルだけど)にはやや不向きな面があった。ゆえに、同様の機構を備えつつ、ローエッジ形状で設計された今回の「アクセルブースト」には、大きな期待を寄せていた。

※ハイエッジ・ローエッジが何かと言う話は本筋から脱線するのでここでは触れません。知りたい方はこちらを参照してください。

そして改めてこの機種を発売日の午前中に購入した先人として、この機種の購入を検討している諸君に向けて先に結論を述べておく。

絶対買うな

世間的な期待値の高さを正確に測ることはできないが、SNS(特にX)では「入手できずに悲嘆に暮れている」という投稿や、「2個買った」という報告も散見され、それなりに発売を楽しみにしていた人が多いと感じた。

本来であれば、特定の商品に対するネガキャン記事を書くことは避けたい。しかし、3,700円という安くない金額を出して涙をのむ購入者を一人でも減らしたいという強い思いから、この記事を執筆するに至った。とはいえ、あくまでも私情は(最後にまとめて記すが)極力抑え、客観的な情報を中心に記載していくつもりである。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてほしい。

なお、自分のヨーヨースキルについても触れておく。大会への出場や入賞歴はないが、JYYFのストリングトリックLv1はすべて余裕を持ってクリアできる。Lv2についても、一部できないものはあるが、おおむね対応可能である。ピンとこない方は、プロモーターの「トップアクセルスピナー」のメンバーが披露しているトリックを全てとは言わないまでも、大半は再現可能なレベルと考えていただければ幸いである。

最初に

絶対買うな

とまで断言した理由は、主に以下の三点に集約される。

  1. 初期不良、または品質チェック漏れを疑う激しいブレの発生
  2. 先発ラインナップと比較して明らかに劣る品質
  3. その品質に見合わない高価格設定

では、各点について順に見ていく。

初期不良、または品質チェック漏れを疑う激しいブレ

本機を推奨できない最大の理由が、この「激しいブレ」の存在である。

第4期ハイパーヨーヨーから入った初心者スピナー諸氏にとっては、「そもそもブレとは何か?」という点から説明が必要かもしれない。ここで言う「ブレ」とは、回転中(以下、スリープ中)のヨーヨーに発生する振動のことである。

このブレの原因は、大きく分けて以下の二つに分類される。

  • 投げ方に起因するもの
  • ヨーヨー本体に起因するもの

前者は、いわゆる「投げブレ」と呼ばれる現象である。これは、リリースのタイミングがずれている、真っ直ぐに投げられていない、あるいは力の入れ方に偏りがあるといった技術的な要因によって発生する。とはいえ、この種のブレは「真っ直ぐ投げる」という点を意識するだけで多くの場合改善され、1年程度練習すれば、むしろ意図的に発生させる方が難しいと感じるようになる。

また、スリープ中にヨーヨーのギャップ(=中央の溝部分)に軽く人差し指を添えることで、発生したブレを抑えることができる。ところが、ヨーヨー本体に問題がある場合は、この方法で一時的にブレが収まったとしても、すぐに振動が再発する。

一方、ヨーヨー本体に起因するブレは、以下のような場合に発生する。

  • アクセル(軸)の破損または折損
  • ベアリングの異常
  • 落下や衝突などによる外装の変形
  • 成形精度の不足
  • その他の初期不良

ご覧の通り、メーカー側の初期不良を除けば多くはプレイヤー側の乱暴な扱いや、明らかな破損によって引き起こされるケースが一般的である。

一応、削り出し加工ではなく射出成形によって作られるプラスチック製ヨーヨーにおいては、程度の差こそあれ、製品側に起因するブレが多少なりとも発生する。そのため、「完全にブレのない回転」を求めるプレイヤーの多くは、より高精度で安定性に優れた金属製ヨーヨーに手を伸ばす傾向があるわけだが、そのプラスチックのヨーヨーでも通常はそのブレがストリング(糸)にまで明確な振動として伝わることは稀であり、トリックの実行に支障をきたすようなレベルに達することはまずない。

したがって、プラスチック製ヨーヨーに多少のブレがあること自体はある程度許容される背景が存在するものの、今回の「アクセルブースト」におけるブレは、明確にトリックへ悪影響を及ぼすレベルに達しており、看過できるものではないと断言できる。

具体的にどういうことかを示すために、以下のX(旧Twitter)への投稿をご覧いただきたい。

これはスリープ中のヨーヨーを撮影した比較動画である。

最初に登場するのはバイメタル構造の金属製ヨーヨーであり、素材や構造の特性上、チタン製に次いで高価格帯に位置する機種である。およそ2万円と非常に高価であるが、動画内ではまるで静止しているかのような極めて滑らかな回転を見せており、高精度な金属製ヨーヨーの基準として投稿した。

次に登場するのは「アクセルウィング」である。本機は「アクセルブースト」の2世代前にあたるラインナップで、約1年前に発売された。こちらもわずかなブレこそ存在するが、それは動画では捉えられないほど微細であり、回転はほぼ静止しているように見える。

3つ目は「ハイパークラスター スピードファルコン」である。これは10年以上前に展開されていたハイパーヨーヨーシリーズの一機種であり、部品の組み換え機構を持つことから、多少のガタつきが構造上避けられない。実際、そのガタつきに起因するブレが動画でも視認可能である。しかし、映像にわずかに揺れが映る程度であり、トリックの実行には十分耐えうる性能を有している(だが、当時はこの機種ですら「ブレが強い」と苦言を呈された)。

そして最後に問題の「アクセルブースト」である。動画越しでもはっきりと確認できるほど、スリープ中の本体が激しく揺れており、明らかに通常の許容範囲を超えるブレが発生している。また、すべての機種において同程度(約10秒間)の撮影を行っているが、他の3機種が撮影終了時点でもなおスリープし続けているのに対し、「アクセルブースト」は動画内でスリープが停止する様子が記録されている。

以上のことからも明らかなように、強いブレはヨーヨーのスリープ性能、ひいてはトリックの安定性や機体としての基本性能に深刻な悪影響を及ぼすものであることが分かる。今回のアクセルブーストは、少なくとも「中級者向け以上」として販売されるに値する品質ではないと判断せざるを得ない。

先発ラインナップと比較して明らかに劣る品質

先述したブレの問題とも一部重複するが、このレベルの振動は、第一弾「アクセルオリジン」および第二弾「アクセルウィング」では確認されていない。

もちろん、どのヨーヨーにも多少のブレは存在するため、「完全にゼロである」と断言するつもりはないが、少なくとも写真や動画越しにも視認できるほどの激しいブレではなく、ローラーコースターのようなストリングトリックも問題なくこなせる性能を持っていた。

それに対し、今回の「アクセルブースト」は、約1年前に発売された「アクセルオリジン」よりも品質が明らかに劣っている。それにもかかわらず、「シリーズ最上位機種」という謳い文句で登場したことは、ユーザーへの裏切りに等しいと言わざるを得ない。

仮に、今回の個体がたまたま「ハズレ」であったのであれば、まだ笑って済ませることができたかもしれない。「もう一個買って試してみるか」と、冗談交じりに受け流すことも可能であっただろう。

しかし、以下のXでのツイート内容を確認していただきたい。

ここまで明確に同様の症状が再現されている以上、「たまたま自分の購入品が初期不良ロットに該当しただけ」と片付けることはできない。このブレは構造上、製品としての再現性を持って発生している事を確信した。

その品質に見合わない高価格設定

そもそも、3,700円という価格が設定されている時点で、ユーザーとしてはそれ相応の性能や仕上がりを期待するのが当然である。だが、現実としてこの価格帯において、より高品質かつ満足度の高いヨーヨーは数多く存在している。

自分がこれまでに実際に使用した機種の中から、「アクセルシステムの有無」を除けば、同価格帯以下でもっと良いと言えるヨーヨーを挙げてみたい。

まず一つ目は、YYFワンスター。アクセルブーストと比べると圧倒的に軽量ではあるが、量販店(例:ヨドバシカメラ)などでも容易に入手可能で、かつアクセルブーストと同じくパッドレスポンス方式を採用しており、アクセルブーストが目指していたと思われる使用感を持つ。

他にもダンカンフリーハンド。この機種は、一時期低迷していたダンカン社を再起させ、ストリングトリック機種の定番とも言える存在にまで成長した名機である。さすがに現代の大会で通用するようなスペックとは言い難いが、初心者~中級者が扱うには申し分のない性能を持っている。

今は絶版で購入できないがC3ヨーヨーデザインスピーダホリックもこの価格帯で購入可能であった機種であり、当時としてはコストパフォーマンスに優れた一本であった。初心者がストリングトリックに入門するには十分な性能を備えていたと評価している。

以上の機種はいずれも、3,700円以内で購入でき、むしろ1000円近いおつりが返ってくる価格帯である。それらと比較しても、アクセルブーストの品質は明らかに劣っており、「シリーズ最上位機種」として設定された価格に見合った内容ではないと断言できる。性能・品質ともに追いついていないまま価格だけが先行しているという点において、本機は著しくバランスを欠いた製品である。

終わりに

第一弾「アクセルオリジン」は、決して高性能な機種ではなかったが、ヨーヨーとしての基本的な性能に問題はなく、ハイパーヨーヨー復活の兆しを感じさせる一機種であった。続く第二弾「アクセルウィング」も、一般的なヨーヨーと比較すれば多少の物足りなさは否めなかったが、普通に遊ぶには十分な性能を備えており、個人的には満足のいく製品であった。

僕も別に競技ヨーヨーが欲しくて買ったわけでは無い。先に触れたアクセルウィングも満足行く機種だとは言ったが、スピーダーホリックやワンスターを筆頭に同じ値段でもっと良いヨーヨーは幾らでもある。でもそれは玩具で、それらとは違う体験を得られる事を期待して買っており、実際それに応えた商品だと感じていた。だから今回のアクセルブーストも買った。

しかし、今回の「アクセルブースト」に関しては、3,700円という価格を支払って手にしたにもかかわらず、通常のヨーヨーメーカーであれば間違いなく交換対応となるレベルの品質。上で触れた競技ヨーヨー以前に玩具としても失格で、率直に言って「裏切られた」と感じた。

今後、バインド仕様やメタル製のハイパーヨーヨーが展開されるかもしれないが、その際はぜひとも今回の反省を真摯に受け止め、「遊べる」ヨーヨーを市場に送り出してほしいと強く願う。

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ここから下は私怨の混ざった記述になる。言いがかりに近いものもあるので精神衛生上悪いと思われる個所もあるのでそういうのが苦手な方はブラウザバックを頼みます。

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他の機種の発売前のバンダイ公式レビュー動画を見て不信感を抱いた話

アクセルブーストよりも先に発売された機種として、「アクセルラウンド」と「アクセルループ」が存在する。これらの2機種については実際に触ったことがないため、製品そのものに対する評価は控える。しかし、発売前に公開されたバンダイ公式のプロモーション動画については、一度冒頭だけでも確認してほしい。

アクセルループ

アクセルラウンド

これら2機種の動画では、「トップアクセルスピナー」と呼ばれるプロモーターのほかに、バンダイの広告部門関係者と思われる出演者が登場している。彼らは恐らく初心者であり、ヨーヨーの扱いにぎこちなさも見られる。だが、そうした未熟な操作でも「これくらいは扱えますよ」というコンセプトであるならば、演出として自然であり、むしろ好感が持てる構成であった。

ところがアクセルブーストの時にはそれが居ない。

アクセルブーストのプロモーション動画では、そうした初心者枠の出演者が一切登場しない。出演しているのは、プロモーターとして高い技術を持つトップアクセルスピナーたちのみ。これを見て思ったのは本来の品質の低さを、実力者の技術で”誤魔化している”のではないか――という疑念が拭えないのである。要は何が言いたいかと言うと

これって誇大広告じゃね?

動画で使用されているのが試作品であり、製品版とは品質が異なるというなら、それはそれで問題である。なぜなら、それは「実際に手に入るものとは違うパフォーマンスを見せておきながら、別物を売っている」ということに他ならず、消費者に対する欺瞞行為であるからだ。

誇大広告か、品質詐称か。どちらに転んでも不信感しか残らない。

この低品質、REWINDも解ってて黙ってる?

ヨーヨーストアREWINDが、本機に対して何の動きも見せていない点も極めて気がかりである(※本稿執筆時点:7月7日17時43分)。というのも、同店はこれまで、ハイパーヨーヨー関連製品の発売日、あるいはその前日には必ずと言っていいほどレビュー動画を公開してきた。

https://www.youtube.com/watch?v=721v8t_Fpcg

https://www.youtube.com/watch?v=eT85uyUMEm4

https://www.youtube.com/shorts/raE4rFbxVX4

https://www.youtube.com/shorts/PWDYG3RhAvQ

このように、過去の機種では欠かさず動画が投稿されていたにもかかわらず、今回の「アクセルブースト」ではその動きが一切見られない。

もちろん、販売店がメーカーの商品に対してネガティブな評価を公に発信することは、立場上難しい面もあるだろう。場合によっては「営業妨害」と見なされるリスクもある。しかし、少なくともユーザー目線に立った”ある程度の率直な評価”くらいは許されるべきではないだろうか。

たとえば、「ブレは確かにあるが、重量と幅の広さを活かして遊ぶ分にはそれなりに楽しめる」といった言及くらいは、できたはずである。逆に「REWIND自身もこの品質に問題があると認識しているのではないか」となんとなく邪推してしまう。

PVをちゃんと見ていればその不穏な低品質は見抜けていた事

こちらが、バンダイ公式によって公開されたアクセルブーストのプロモーション動画である。当時の自分はこの映像を見て大いに期待し、発売日を心待ちにしていた。しかし、いま改めて冷静に見直してみると、この段階ですでに「明確なブレ」が発生していることが確認(14秒及び23秒付近)できる。

そして、この動画にはある印象的なコメントが残されていた。

発売の3週間前、少なくとも6月14日以降の時点で、この違和感に気づいていた視聴者が確かに存在していたのである。よく見ている。実に鋭い。

もし、自分にも彼らのように冷静な目と判断力があれば、こんなにも怒りと失望を抱えてブログを書き連ねる必要はなかったかもしれない。悔しさと情けなさが入り混じる中、ただ一つ言えることがある。

――彼らのように公式のPVを、もっとよく見ておくべきだった。

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