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ACFUN 神道物語シリーズ 織田奈々

公開日: : 最終更新日:2024/01/18 模型完成品

FAガールに始まる美少女プラモデルが中々最近熱い。
可動フィギュアにしろ固定フィギュアにしろ手作業が入る関係で基本的に少数かつ一発生産なので値段は高くなりがちで、買い時を逃すと二度と買えなくなる。
その中で登場したこの美少女プラモと言うのは金型で大量生産され、モノにもよるが再販もされるので買い時を逃しにくい。それでもって値段もガンプラに比べれば高いものの、同じスケールのフィギュアに比べれば多少リーズナブルになっていて、かつ完成度も高いと、中々革新的な存在ではないかと思っている。

で、今日紹介するのはその美少女プラモブームに乗っかったであろう中国のプラモメーカーから放たれた刺客。
神道物語なるシリーズの一つで同シリーズはもう一つラインナップがあるが、同メーカーがリリースしている御模道シリーズの方に注力しているのか、そちらが積極的にラインナップを増やしているのに対してこちらは音沙汰がない。
説明書の表紙に「出自玲桃劫漫旗下漫画<<神道物語>>系列」とか描かれているから原作があるのだろうか。
中国語読めないけど「出自」とかあるくらいだから出典があるんじゃなかろうか。解らないけど。

素体と武装形態で2体セット。これで4000円ちょっとなのでそれなりにリーズナブルな価格設定。
それでコレだけの完成度があるなら神キットじゃないか!
。。。と思うかい?今から書くこと全部を君が受け入れられるなら間違いなくこのキットは神キットだろう。

まず必ずと言っていいほどアンダーゲートにぶち当たる素敵成形。
この写真は片腕を組んだ後出てきたアンダーゲートの数々。片腕を組んだだけでコレだけのアンダーゲートが出てくるのも中々凄い。
部品を一つ切り出すと次にその切り出した部品のアンダーゲートの処理が必要になるというストレスフル仕様。

いきなりネガティブなことを書いてもアレなので全体パース。
正面から見た感じはあまり悪くない。
合わせ目が目立つけど、部品の嚙み合わせが固すぎて隙間が空いたものとそうでないものが混在している。
線消しも面倒でやってないので、これは単純に俺がポンコツなだけ。
普通に組んでここまで合わせ目が目立つ事の無いFAガールが異常なだけなのだ。

肘と髪の可動の仕組みにこのキットの残念ポイントが概ね集約されている。
肘の関節は関節駆動部分にもう一つ関節があるので可動範囲が広いのはいいが、限界まで腕を曲げると見栄えがものすごく悪い。
逆方向に動かないような仕組みにはなっているので腕の動きでZ字になるようなことはないものの、多少の可動範囲は犠牲にしつつもう少し自然な仕組みにしてほしかったところ。
そして、髪の毛を跳ね上げると、跳ね上げた部分で真横に切ったような状態になる。
このキットを横から見たくない理由がコレ。

膝も腕と同様に関節が人間よりも一つ多い仕組みになっている。
ただ、膝パーツが大きいためか腕よりは不自然さは目立っていない。

足の可動範囲はこれが限界。
これだけ軽装なら上段回し蹴りが出来るくらい足が上がっても良いような気もするが。
でもよく考えたらそれ位足が上がるフィギュアも見たことないな。
でもこのキットはもう少し頑張ってくれても良い気がする。

このキットで数少ない褒めるポイントとして背中とケツの造形。
ロングヘアで隠れる場所ではあるが、特に背中はなかなかよくできている。
ケツにはなんとなく光沢をつけたくなる。

肩も関節の穴が目立つが、服などがない裸なので多少は仕方のない部分もある。
引き出し式になっているので見た目よりも動くのだが、腕の可動に干渉する部位がないので元から可動域は広く、
こんなところが引き出し式になってても何のありがたみもない。
そして胸部を限界まで反らせると内側が見えるというアレ。
こんなんだったら可動域狭くしても良かったんじゃなかろうか。

付属パーツに相当する部品として刀がある。

鞘は手に持てないが、納刀できるようになっているのでシンプルに嬉しいところ。
刀自体も金メッキパーツのおかげで無塗装でも見栄えがいい。


トランスフォーム!

お待ちかね武装形態。コンパチなので残念ポイントは非武装形態と共有している。
やはり正面からの見栄えはいい。

そして、上から腰を見た時の見栄えは非武装形態よりかなり悪く、上から見るとスッカスカで、接合部分が丸見え。
あちらは腰部分はそれなりによくできているのにこっちは退化している。
ある模型が後発のシリーズで造形レベルが退化するのは幾度とみてきたが、全く同じキットで退化しているのは流石に見たことがない。

もう一つの付属品に相当するパーツとして大剣が存在。
大きすぎる上に重いので手首だけじゃなくて腕でも支えることができない。

千値練ダンテの手首なら何とか持たせられる。写真だと肩に担いでいるが、ポーズをつけると手首だけで支えきれず、壊れそうで怖かったのでこういう写真になった申し訳ない。
まあ、この1万円台のフィギュアですら持てないようなモノを4000円ちょっとのプラモデルが支えられるわけがないのだ。

それはともかく大剣を見てみよう。
色ごとにパーツが分けられているので組み立ては面倒だが、無塗装でも見栄えはいい。

交換用表情もタンポ印刷なしのパーツが付属する。
そのパーツが4つもあるので大盤振る舞いじゃないかと思ったんだが、口部分が最初から成形されているので単純に目を印刷する手間を省いただけじゃないかとか考えるのは天邪鬼すぎるだろうか。

一応その交換用表情パーツのための眼デカールはちゃんと付属している。
これで無かったらメーカーにクレームのメールを入れるところだった。いや、嘘だけど。

一応擁護しておくとこのキットはこのメーカーの中でもかなり初期のラインナップで、他人のブログやツイッターを見ていると後発のラインナップの出来は悪くないように見える。
このキットだけでメーカーの評価を決めてしまうのはいささか早計だろう。

とまあ、いろいろと酷評したが、出来としてはすでに述べている通り値段相応どころかリーズナブルな部類。
正面から見た時の見栄えは全然悪くないし、「横から見さえしなければ」FAガールと並べてもそん色のない出来。
コトブキヤ他の国産メーカーからラインナップされている美少女プラモデルの値段設定がだいたい5~6千円の中で4000円台でこういうキットを出せているというだけでも評価されてもいいはず。
少なくとも商品失格レベルの出来ではないことは断言する。ドラゴンとドイツレベルの1/144フランカーとかMPMの簡易インジェクションみたいな化け物を見てきた俺にとってはこのキットは十分お金を払っただけの価値はあるキットだと思える出来である。

原作が好きな人や改造のための素体が欲しいという人は買ってみて損はないだろう。
もっとも、その場合はクソほど出てくるアンダーゲートに頭を悩ませることになるだろうが。

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