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会社辞めたから壮絶だった研修の話してみたい

公開日: : 最終更新日:2024/01/18 分類してもしょうがないもん

この冬4年勤めた会社を退職し、新たに就職活動を始めることとした。

理由は2つある。

一つはキャリアに傷が付くことを危惧した。
PHPしか業務で触る機会がないうえに、そのPHPに至っても社内の独自のフレームワークしか使えないのでcakeやzendといった世間で使われるFWを触ったことがなく、これがキャリア的に絶対的に足を引っ張ってしまっている。
そのため、今後のキャリアのためにスキルチェンジをしようと思った事。
CMSを中心にやってたけど、就活していると、担当からは「そんなん出来て当たり前、PHPしかできないのは結構弱み」って風潮があったので、キャリアにはかなり傷が付いている事を痛感した。

もう一つ。会社が壮絶にブラックだった。
全国に支店があるので、その一体感を出すために毎週月曜日と毎月15日はSkypeのようなビデオ会議システムを使って朝礼のために7時業務スタートである。
そして夜は9時。何故かといったら製作したHP宛に客から問い合わせが来るのでその電話番をしなければならない。
業務契約書には9~18時と書かれているが、「そんなん都市伝説」と言わんばかりに時間のために残業しなければならない。
週休は日曜日の一日だけなので、
なので18~21時までの3時間x6日x4週の単純計算をして72時間残業をしていることになる。
(しかもこの数字は先述の朝礼を含めていない上に退社時刻の21時も「最速の」なので厳密に計算すればもっと長い。)

製作業という関係で決算月や商品のリリース直前は稼働時間が上がってしまうのは仕方がないと思うが、常に時間から時間のために仕事をしなければならないのは苦痛でしかなく、仕事が終わっていても帰社できない時間に意味を見いだせなかった。
その空いた時間を埋めようと思って学習本を持参して3時間を埋めようとしても「仕事中にそんなんするな」と言われ、結局仕事をするフリをするしかない。
(でもプログラマだったので素人が画面を一目見ても解らないことを良い事に本を広げなくても勉強に使える方法を探った。
もちろん、直属の上司は画面を見れば何をしているのか理解できてしまうので限界はあったが。)

以前会社のブラックさに耐えられんみたいな趣旨の記事とそのカテゴリをこのブログで作った記憶があるが、
働いてる自分のモチベーションにも関わるし、見た人に甘いとか思われたり同情されるのも嫌だったので一週間足らずで削除した。

そんなことを考えてる間にこんな記事を見つけた。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw2655135?ver=video_q
これ見て前職も負けてねーよって思って記事を書いてみようかなと思う。

初日


画像出典:pakutaso

初日から壮絶だった。
東京都の本社に全員集合した後、バスで1~2時間ほどかけて山奥の研修所のような所に向かった。
5~6歳のボーイスカウト達が使うような施設で、ヒビのない壁がなく、経営がかなり苦しいことを伺わせる。

この個室部屋がまたすごい。暖房などは無く、部屋は非常に狭い。
4月で春だったとはいえ、山奥なので夜は寒く、支給されたパーカーと持ち込んだ寝巻、一枚しかない毛布で寒さを凌ぐことができなかったので、コートを着て夜は寝ていた。
かなり後で知ったことだが、一人頭500円の宿泊費らしく、そりゃこうだよなと思った。
「タバコ1箱買ってきたからこれで一晩泊めてくれよ」って友達に言うようなもんじゃんとか先輩社員がかなり後で愚痴ってたが、割と的を得た意見だなと思った。

ちなみにこの時点で外に出ることは許されず、どうしても必要なものがある場合は先輩社員と相談し、本当に必要なものだと思われた場合のみ先輩社員が車で10分ほどの所にあるコンビニまで買いに行ってくれる。

 

話を研修の話に戻すと、このカリキュラムがまた壮絶なわけだ。
始まって1時間くらいはマナー研修で、名刺の渡し方、挨拶の仕方など、社会人としての礼儀を教え込まれた。
これは社会人らしい内容だなと思ったが、社会人らしい内容だなと思ったのは本当にこの1時間だけだった。

大体11時くらいからだったと記憶しているが、そこから先は全て自社のカリキュラムが始まった。
1班大体5~6名の班に分けられ、その班別に常に行動することを指示される。
これ自体は学生時代も普通にやってたことなので当たり前だと思っていたが、やる内容が問題だった。

出典:nipic

この11時から発声練習が始まる。
「普通に仕事ができることに感謝しろ」みたいな内容の全五か条の社訓を一字一句違わずに暗記し、
それを限界の大声で先輩社員の前で怒鳴り散らす。
ただ声が出るだけではアウトらしく、普段から大声を出しなれている野球部員ですら怒鳴られていた。
これ以降の研修は新入社員全員が集まるメインホールと「試験室」と呼ばれる15人程度が入る小部屋を往復して行う形になり、
試験室とメインホールとで階層が違うので徒歩で1分ほどかかる。不合格になるたびにこの往復作業を行うので非常に効率が悪い。

班別に行動することはすでに述べたとおりだが、班員が一蓮托生なので、5人全員が合格しないと次のカリキュラムに移行できず、
その合格できない責任を詰められた。
普段から声が小さいと言われるようなタイプだったので、当然班の足を引っ張り、班員の顰蹙を買っていた。

入社後も毎日これをやるのでこの社訓、未だに一字一句覚えている。
↓この後のカリキュラムの男性先輩社員と新入社員(女子含む)の物理的な距離感がこの画像に非常に近い。

画像出典:pakutaso

発声練習が新入社員全員終わったら次のカリキュラム。
モチベーションのチェックというカリキュラム。これから自分が働いていくうえで何をモチベーションにしていくのかという事を考え、それを先輩社員に納得させなければならない。
入って間もなさすぎるのに金みたいな嫌らしい話以外に何をもクソも無いと思うが、そこで先輩社員の機嫌を損ねると試験室から追い出され、メインホールに戻らなければならない。
合格するまで何往復もする。
「ありがとうございます」を大声で何度も言わされるし、合否は「気持ちの本気度」というあいまいな基準で判定される。

しかも中学時代、いじめにあい、自分が嫌な思いをし続けたくなくていじめっ子に対して壮絶な仕返しをした事、そのせいで友達を失くした話など、
自分のトラウマをほじくり返されていやな気持にもなった。
それで自分が学んだことは?とか聞かれたがそんなん「二度と繰り返したくない」以外に返す言葉なんかあるかいな。

いくつかカリキュラムがあるが、やることも話す内容もコレにかなり似ている。

 

2日目

午前中は前日に似た内容だったが、午後は壮絶なカリキュラムが待っていた。

画像出典:pakutaso

身の回りの人間に感謝しろ、目の前にいる先輩社員がその感謝したい人間だと思って話せ。
という内容。これまたわけわからん内容だったが、20にもなって親に感謝していない不届き物が居たのでそういう輩は人格矯正を受けていた。

2年目あるきっかけでこの新人研修に同行させてもらったが、同じカリキュラムで即合格を貰っていた新人が居た。その内容を要約すると
「親が再婚を繰り返しており、何度か再婚先の親父に強姦されたこともある。でもこの年まで五体満足に育ててくれて笑顔で会社に送り届けてくれた両親には感謝している」という昼ドラみたいな人生を歩んでいたやつで今でも強烈に覚えている。それを聞いていた先輩社員がもらい泣きしていた光景はこの後の僕の人生に強いトラウマを刻み付けた。

 

画像出典:pakutaso

そして午後1時にその日の…っていうかその日までの総括みたいなカリキュラム。外回り営業。
通称サバイバル研修。

2段階に分かれており、
1段階目が「一人で知らない場所に放り出されて知らない人(会社)の所で無償でいいからトイレを掃除させてほしい」というもの、
2段階目が「班員がその知らない場所で全員で集まって1時間1000円のアルバイトをさせてくれるところを探す」というもの。

トイレ掃除は1人で雇ってくれるところを探さなければならない。のだが、なぜかレディーファーストであり、女子新入社員がいる班は班全員でその女子社員のトイレ掃除先を見つけなければならなく、こういうところだけ女尊男卑だった。
僕が見つけた先では洗剤などは貸してくれたが道具などを持っていなかったので、スタンフォード実験ばりに素手に洗剤を付けて便器を掃除する羽目になった。
(翌年から雑巾の持参だけは許されたため、恐らく僕以外にも素手で便器を掃除した同期が居たと思われる。)

班員が全員トイレ掃除先を見つけてその掃除を終わらせると(この時大体5時ごろだった。)班員が全員集まって5人全員を1時間1000円で働かせてくれる先を見つける必要がある。

夜の9時ごろにようやく働き先を見つけたが5人ともなるとやることがかなり限定されてしまい、立っているだけという同期もいた。

研修所に帰ってきたのは夜の11時ごろで最速で戻ってこれたチームでも夜の9時ごろだったそうだ。

 

最終日

3日間の総括を先輩社員に話して納得させることが最後のカリキュラム。
この研修で何も学習してなかったら頭をぶっ叩かれる

しかも話す内容も初日のモチベーションチェックとほぼ同じ。それをわざわざ最終日に至ってまでやる理由がよくわからん。

最後に会社を経営している会長が出てきてお疲れさん。ちゃんちゃん。

 

という3日間。
僕の代は2泊3日だったので先代や次代よりも短かった。
(今まで、この後の代は3泊4日でカリキュラムは6つだった。)
サバイバル研修では金を稼ぐのがどれだけ難しいかというのは身をもって痛感した。
それに関しては非常に勉強になった。社会人が甘くないことは良く解ったし、やってよかったとは思う。
建設的だったかどうかといわれると首をかしげざるを得ないが

会社によってやり方はそれぞれっていうのはよくわかるし、否定する気もないが、
外界との関わりを絶たせて同じことをひたすら繰り返し、疲労困憊させるやり方は実際に新興宗教の洗脳でも使われている。

 

出典:Wikipediaのジョック項より

ちなみにこの2泊3日の研修の後に地方にある会社の車両倉庫みたいな所を拠点にして漸く取り扱う商品に関する知識の研修が始まる。
研修自体は座学が中心で一応まともといえばまともだったが、
社内に野球部が存在し、新入社員もその野球部入社を前提にして内定をもらった同期がいた。
そこでカースト制度のようなものが出来上がり、野球部は神様、それ以外は奴隷というマジでジョックとナードの関係性が生まれた。
(女子はたった4名しかいなかったので1人の例外を除いてカーストの外の存在だった。僕はそれについて”珍しいな”とどうでもいいところに感心していた。ちなみにその例外と僕は配属後の仲の悪さは有名だった。)

何故かは不明だが、僕はそのナード層の中でもかなり目立つ存在だったらしく、ジョック達に対しては常に敬語かつ~さん付けで話さなければならなかった。
それだけにとどまらず、僕と仲の良かった同期は「(僕の本名)一族」と呼ばれ、ナード層のなかでもかなり下の部類であり、配属後もかなり下に見られていた。
その僕の一族はその後入社した一部の後輩から呼び捨てにされていたので入社後のカースト層の中でも下にいたことがうかがえる。
実際僕もかなり下に見られており、そうした「ギーク野郎の分際」という蔑視は退社まで続いていた。
オマケに会社も体育会系だったので、野球部員、ないしはスポーツの経験がある人間はジョックとして会社の中では上位の人間で、出世も早かった。
会議の場でも新卒の採用基準で「僕みたいなのが入るから」という理由で体育会系だけを積極的に取るよう指示が出るくらいだった。

そういう存在に対して仕返しをして偉い目にあったのは先述の通りなので我慢していた。

 

しかし、精力的に働いていると全国に散らばっているいくつかの店舗の店長(当然役員)が目を付けてくれて引き立ててくれたのは非常にありがたい話だった。
給料もジョック達ほどではないが順調に上がった。
それと本来の業務ではないが、社内のPCのトラブルに対処するようになり、何名かの先輩社員が僕を頼って電話をしてきてくれたことなどもありがたい話だと思ったし、
同じようにジョック野郎に対して「ggrks」という立場が取れるようになったのも精力的に仕事をしていたからだろう。

もしかしたらあの会社にいることも悪くはなかったのかもしれない。
しかし、キャリアに傷が付いていたのは確実で間違いないし、会社が全く仕事がなくなった僕を定年まで雇い続けてくれる保証もない以上はむしろ4年というスパンは遅すぎたくらいだと思っている。

何が言いたいかって言うと、「社風が合わないだけなら続けてみるのも悪くねえぞってことと、キャリアに傷が付くと思ったら1年未満でも辞めろ」
っていうことを言いたい。
特に技術職、その中でもITは流行り廃りが激しいからキャリアに傷が付けば今後の生活にも関わってくるのは言うまでもない。
僕も2月半ばからから就職活動を始めて実はすでに3社内定を頂いているが、正直年齢で内定をもらったようなもので、仮に僕が30歳を越えていたら一社も内定が出てなかったのは想像に難しくない。
一番大事なのは自分だよって事が僕の前職から思った事だ。

 

。。。ちなみに僕の職種から製作会社と思いがちだが、全然違うトラックの買取のための営業会社であり、
その会社を2年目で退職しようとしていたのだが、またそこで会社とのいざこざがあって結局4年勤める羽目になったというオチが付いているのだが、それはまたの機会にお話ししたいと思う。

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Comment

  1. D より:

    ・・・・
    ファレホのレビューを見たくて検索したのに
    なんて記事をみてしまったんだろう。
    色々お疲れさまでした。

  2. wasp より:

    Dさん
    コメントありがとうございます。
    何かすみません。。。

    ブログなんで色々なことを書いてる。。。と言い訳してしまって申し訳ございませんが、くだんの記事がファレホ使用時のご参考になれば幸いです。

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