怪物社員録~Battle Report編~
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最終更新日:2024/01/18
分類してもしょうがないもん
夏に差し掛かると毎年新卒、中途問わず新人退職者が増えてくる時期だ。
(もっとも、今年はコロナ禍で転職どころではない人も多いだろうが。そしてこのブログの下書きを書いたのは夏ごろだったのは内緒だ。)
会社に合わないとか業務がきつ過ぎるとか理由は色々とある。
4年前に転職するまでサビ残上等、週休一日、会議という名の公開処刑が行われるブラック企業に勤めていたわけだが、会社がそんな感じなので人事の新陳代謝が激しく、人の入れ替わりが多かった。
その中で俺が見てても「?」と思う人も何人も見てきた。
転職後の会社では笑い話にできたので紹介したい。
なぜ入社したんだ
俺の同期の木滝(仮名)。研修において体育館のようなオリエンテーション場を借りるのだが、この年はその体育館も満杯になるほどの学生(と第二新卒)を取っていた。
木滝とは面接の時に加えて入社前の顔合わせなどでも一緒になり、パワハラ研修でも同じ班である等、以降の会社員生活において盟友になる筈だった。が、パワハラ研修を越えた後、座学研修の最初の土曜日にトレーナーに退職を告げて荷物を纏めて実家に帰ってしまった。
その前日に彼から理由を聞いており、どうやら「本当は旅行会社に入りたかったんだ!」「こんな滅茶苦茶な研修をするくらいなら元々やりたかった仕事を目指す!」との事だった。
意志は固かったようでトレーナーに半日に渡って引き留めを食らったようだが、最終的にはトレーナー側が折れて彼の退職が決まった。
最初からそっち行けよと思ったが、他の会社でもありがちな話であり、こんなの序の口なのはこの時の俺には知る由もなかった。
なお、研修の内容については上のリンクを参照していただきたい。
ある意味男気があって体育会系
新卒の研修にビデオ撮影要員として毎年出るようになっていたのだが、彼は一生忘れないだろう。
木滝のように研修中に退職を告げて出ていく奴は毎年何人かいたが、
3年目に出会った貞治(仮名)は頭一つ抜けていた。
研修初日、例によってパワハラじみた研修を行い、一日の日程が全て終了し、後は寝るだけという状態。
夜9時、上司へのレポートを書いて、寝る前に少しゲームをして寝ようかなと思っていたところで、上司に呼ばれる。
何ぞやと思って行ってみたら2班の貞治が部屋に戻って無いから探してほしいと。
いつもの如く研修中の脱走者じゃね?と思ったが、クレジットカード入りの財布を含めた身の回りの物は全部部屋に置いてあるから近くにいるはずという理屈で強制的に捜索隊に加えられることになった。
俺としてはその辺で不貞腐れてる奴を探すとか「ふざけんなよ」という気持ちしか無かったが、オリエンテーション会場とその周りは照明がほとんどない、一方で車は通るので事故に遭う確率も高いので拒否するわけには行かなかった。
先輩社員と社長までも総動員して捜索を行い、居合わせていたボーイスカウトの保護者達にも行方不明者が出たことを告げつつ、ほとんどの場所を虱潰しにしたが、見つからなかった。
あきらめてその日の捜索を終えたが、その翌日、予想外の出来事で疲れ切っていた俺たちの予想を更に上回る報告が来る事をこの時は誰も知る由もなかった。
翌日の朝、上司に貞治から連絡が入り、退職する事が告げられたようだ。
ここまでは普通の脱走だが、連絡してきた場所はオリエンテーション会場から電車で何駅か離れた彼の友人の自宅からだったようだ。
それを踏まえて考えると、驚くことなかれ
・お世辞にも格好いいとは言えない会社の制服を着たまま
・夜の街を金も身分も証明するものも持たず
・自分の身一つで
その友人の家(若しくは研修場の最寄り駅)まで踏破したことになる。
滅茶苦茶サバイバルな奴だな。それほどのパワーがあるなら、あの会社やっていけるだろうにと呆れるのを通り越して感心してしまった。
そして、そんな夜中に転がり込んできた迷惑な友人を持った、その貞治の御友人には同情を覚える。
そう言えば部屋には彼の財布はあったけど携帯電話は無かったな。。
彼にとって
クレジットカード入りの財布<携帯電話
位の重要度なのだろう。パクられるとか考えなかったのか。
後日彼の荷物は宅配便で返却されたが、スーツケース入りの荷物+仕事カバンだったので高額な送料がかかったようだ。しかも財布に入っていた現金は送れないからその調整に苦労したと会社に戻った後、総務が愚痴をこぼしていた。
因みに言っておくが、研修会場は近くのコンビニまで車で10分、最寄り駅までとなると更に掛かるという辺境である。
40後半にもなって何を期待したんだ
僕が退職する少し前の話。
あまりにも会社の人事的な新陳代謝が激しく、ついに役職持ちからも退職者が出た後の話。
総務部長が退職した後、一年近くそのポストが空席でその後釜がついに入社。
40代後半でそろそろ50歳になるという人だった。
入社時の挨拶からは物腰柔らかな人という印象を受け、お局様がいる総務部でもうまくやっていけるだろうと思っていた。
が、その期待はその日のうちに覆され、昼休憩になる前に退職した。
先述の貞治にしろ、すぐ退職する人間は一日は持っていたのに、その一日を乗り越えなかったのはさすがに初めてだった。
退職理由はと言うと「就業規則を見て一目でブラック企業だと思った。会社の風土もワンマン気味だし、この状態で何年もやってきたなら、このブラックな体質を変えられる自信がない。」
そろそろ50代になるかもという定年間近の状態であの会社に限らず転職先に何を期待してたんだろうと考えずにいられなかった。
因みに上記退職理由を聞いた会長の反応は
「何がブラック企業だ。業績を上げようと思ったら自然とこうなるもんだろうが。」
そういえばそういう会社だったね。。
お世話になる会社は妥協せずに選ぼう
俺の世代は就職氷河期から少しズレた時期に就職活動していた為、まだその余波があって就職が決まったという人も多くは無かった。
今年就職活動するという新卒も転職をするという人々は昨今の情勢から苦労するだろう。
それでも11月頃になれば就職活動に本気で取り組んでいる人とそうでない人で差が出てくる筈。
実際俺も差を付けられていた方なので年明けまで就職先は見つからず、偶然of偶然で内定が出た件のブラック企業で妥協することになったわけだ。
入社後の苦労はこの上を見ていたら解ってもらえるだろうが、こうなったのも「周りがやるから」という成り行きで就職活動をしていたツケと言える。
むしろ、あの会社に入社出来た事すら奇跡である。
「これから生きていくうえで何で飯を食っていくか」それ位は学生時代に決めよう。
プログラマーとして生きていく、営業として生きていく。誰かの秘書として生きていく。なんでもいい。成り行きに任せたり誰かに考えてもらうのではなく、自分で決めよう。
それが決まったら、今度は、誰かから仕事を貰い、こなしていくために出来ることを今から始める。勉強するのもそうだし、「こういうことが出来ます!」という成果のようなものを作って、見せることが出来るようにする。成果と言ってもポートフォリオを作るとかその程度でいい。
そこまで出来れば、それが会社に対する自己PRになり、よく記述に詰まる志望動機も書きやすくなるはずだ。
そうして興味を持ってくれた会社に入社できるよう学生諸子は今からでも行動しよう。
さもなくば会社に入った後、真夜中に金も身分も証明するものも持たずに身一つで山奥からの大脱走劇を繰り広げる羽目になるだろう。
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